いや

精選版 日本国語大辞典 「いや」の意味・読み・例文・類語

いや

〘感動〙
① 驚いた時や、嘆息した時に発することば
※浜松中納言(11C中)二「行くさきをはるかに契る心あるにかけなはなれそ箱崎の松と出で給ふに『いや、ためこその人』と、怨(うら)めしげにうち誦(ずん)つつ御ともにまゐる」
② 気がついて思い出した時などに発することば。
今昔(1120頃か)二五「貞道、其時にぞ思ひ出て、いや、然る事有」
③ 人に呼びかける時に発することば。
※虎寛本狂言・宗論(室町末‐近世初)「『イヤ申(まうし)申』『何事でおりゃる』」
④ はやしたてる時の掛け声
※虎寛本狂言・靫猿(室町末‐近世初)「つつと出て月を見よ。まだ見よまだ見よ。イヤ、しばし曇りて又さゆる、又さゆる」
⑤ 恥ずかしい時、てれくさい時などに発することば。
牛肉馬鈴薯(1901)〈国木田独歩〉「イヤ岡本君が見えたから急に行(や)りにくくなったハハハハ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「いや」の意味・読み・例文・類語

いや

[感]
驚いたり感嘆したりしたときに発する語。やあ。「いや、これはすごいね」
人に呼びかけるときや言い始めるときに発する語。
「―申し、ちと申し上げたい事がござる」〈虎寛狂・附子

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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