イワン・デニソビチの一日(読み)いわんでにそびちのいちにち(その他表記)Один день Ивана Денисовича/Odin den' Ivana Denisovicha

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

イワン・デニソビチの一日
いわんでにそびちのいちにち
Один день Ивана Денисовича/Odin den' Ivana Denisovicha

ロシアの作家ソルジェニツィンの中編小説。1962年11月の『ノーブイ・ミール』誌に編集長トワルドフスキーの序文付きで発表。ソ連のフルシチョフ共産党書記長の決裁で掲載が決まった。平凡なロシア農民シューホフが非人間的な収容所ラーゲリ)の状況のなかで生きた「ほとんど幸福ともいえる一日」を、抑制された、ときにユーモラスな文体で描きながら、ソ連民衆が負わされた悲劇的宿命、限界的状況のもとで「人間」としてとどまる意味を問うている。スターリン時代の収容所の実態を初めて明らかにした作品として国際的反響をよんだが、その真価は民衆のなまの声と感覚を的確に表現しえた作品の芸術性にある。

江川 卓]

『『イワン・デニーソヴィチの一日』(染谷茂訳・岩波文庫/江川卓訳・講談社文庫)』

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