改訂新版 世界大百科事典 「ノーブイミール」の意味・わかりやすい解説
ノーブイ・ミール
Novyi Mir
もとはソ連邦作家同盟機関誌,ソ連邦崩壊後はイズベスチヤ出版社の独立誌。〈新世界〉の意。1925年1月創刊,初代の編集人はA.V.ルナチャルスキー。現代ソビエト文学の代表的な作品を数多く世に送り出した。ゴーリキーの《クリム・サムギンの生涯》,ショーロホフの《開かれた処女地》のほか,ソルジェニーツィンの《イワン・デニソビチの一日》が発表されたのもこの誌上であった。創作のほか,社会評論や文芸批評,作家の回想や消息等の欄もあり,ソ連のそれぞれの時代の知的傾向を知る上で不可欠の文献となっていた。ペレストロイカ期には,パステルナークの《ドクトル・ジバゴ》など従来発表を禁じられていた物故作家の作品も積極的に掲載し,部数も1984年の43万部から89年には155万部にのびたが,97年には2万部を割っている。
執筆者:長縄 光男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報