インゼルベルク(読み)いんぜるべるく(英語表記)Inselberg ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「インゼルベルク」の意味・わかりやすい解説

インゼルベルク
いんぜるべるく
Inselberg ドイツ語

乾燥地帯に発達する島状丘地形や孤立丘地形をいう。この用語は二つの地形に使用されている。この用語が広く使用されている地形は、乾燥地形のペディメントpedimentが拡大して形成された、侵食平坦(へいたん)面のペディプレーンpediplainに島(Insel)状に突出した小規模な山(Berg)である。小山の急斜面とペディメントの境には斜面の急変部があるが、その角度は岩石の種類によって異なる。しかし、その縦断面形は凹形となっている。もう一つの地形は、花崗(かこう)岩などの結晶質岩石で、垂直な節理(割れ目)がある岩石の所に発達しているインゼルベルクで、この節理の影響により、平坦地に釣鐘を伏せたような地形である。釣鐘状の地形はサバナにも発達している。この二つの地形は平原に孤立している点では共通しているが、縦断面は異なっているので、両者を区別するため、後者に、東アフリカで最初に「島状丘」の研究をしたドイツの地質学者ボルンハルトW. Bornhardtを記念して「ボルンハルト」を使用する研究者もいる。

[赤木祥彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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