残丘(読み)ザンキュウ

百科事典マイペディアの解説

残丘【ざんきゅう】

モナドノックとも。準平原上に孤立して突出する山稜。浸食に対し抵抗性の強い硬岩からなる場合(堅牢(けんろう)残丘)と,かならずしも硬岩ではないが分水界周辺であるために残った場合(遠隔残丘)とがある。W.D.デービスが米国ニューハンプシャー州のモナドノック山を典型例として提唱。
→関連項目インゼルベルクエアーズ・ロックギアナ高地

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世界大百科事典 第2版の解説

ざんきゅう【残丘】

地表の起伏は浸食削剝作用により,長い間かかって平たん化させられていくが,その結果生ずる岩石質の平地(準平原)の中には,浸食から取り残されたままに突起した丘陵塊が残る。これを残丘という。アメリカ合衆国ニューハンプシャー州のモノドノック山の例にちなみ,地形学者W.M.デービスが提唱した〈モナドノックmonadnock〉が,この種の地形の術語として定着している。ドイツ学派はRestbergと呼び,周囲より相対的に硬い岩石であるため浸食が遅れたものを〈硬岩残丘Härtling〉,浸食輪廻の初めから分水界の位置にあり続けたために突起しているものを源地残丘Fernlingとして二分した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

残丘
ざんきゅう

準平原上に孤立して突出している小山塊状地形。モナドノックともいう。アメリカのW・M・デービスは、アメリカ、ニュー・ハンプシャー州の南西にあるモナドノック山Mt. Monadnockが典型的な残丘地形であると考えて、固有の地名を地形学用語として採用した。侵食に対する抵抗性が強い岩層からなる残丘は、硬岩残丘または堅牢(けんろう)残丘とよばれる。また侵食基準面(侵食が行われているときの海水面)から遠い距離にある分水界付近にあったため、侵食されないで残留した残丘は、遠隔残丘または源地残丘とよばれる。残丘は、河川侵食の終末期に形成された地形であるが、モナドノック山は新生代更新世の氷床氷食作用を受けたことが知られている。東アフリカのボルンハルトや中央オーストラリアのエアーズ・ロックのように、湿潤でない気候帯に発達した残丘の研究も行われている。[有井琢磨]

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世界大百科事典内の残丘の言及

【モナドノック[山]】より

…ニューイングランド・アップランドと呼ばれる台地に位置し,浸食から取り残された山である。地形学用語で,準平原上で抵抗力が大きいため浸食から取り残された山を〈モナドノック(残丘)〉と呼ぶのは,ここの地形に由来する。【菅野 峰明】。…

※「残丘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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