インペリアル・ケミカル・インダストリーズ(その他表記)Imperial Chemical Industries PLC; ICI

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

インペリアル・ケミカル・インダストリーズ
Imperial Chemical Industries PLC; ICI

イギリスの化学会社。イギリス最大規模を誇った企業。1926年有力化学会社 4社がドイツのイー・ゲー・ファルベンに対抗するため大合同して設立。アメリカ合衆国の化学会社デュポンとの間に,ヨーロッパ,イギリス連邦市場へデュポンが進出しないかわりに,ICIもアメリカ市場へ進出しないという世界市場分割協定を結び,カナダ中南米では両社は平和的に市場を分け合った。しかし第2次世界大戦後これらの市場分割協定はアメリカの反トラスト法によって無効となり,巨大化学会社の競争は激化するにいたった。合成繊維では世界でも最大で,ICIの開発したポリエステル繊維テリレン」は特に有名。基礎化学製品から中間製品,染料,石油化学製品,プラスチック,有機化学製品,医薬品,爆薬,農業用化学品,非鉄金属塗料,建材など積極的に多角化を進め,北海油田にも利権を拡大した。ヨーロッパを中心にアメリカ,カナダ,オーストラリア,インド,マレーシアパキスタンアフリカなど 40ヵ国以上に進出,国内外に子会社,関連会社を多数もった。1990年にアメリカのアトラス・パウダーを買収。1993年にはバイオ製品事業を分離し,別会社ゼネカとした。1997年ユニリーバの特殊化学部門買収を契機に,化学専門メーカーとしての色彩を強めた。2008年オランダの化学会社アクゾノーベルに買収された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

インペリアル・ケミカル・インダストリーズ
いんぺりあるけみかるいんだすとりーず

ICI

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世界大百科事典(旧版)内のインペリアル・ケミカル・インダストリーズの言及

【火薬】より

…軍用炸薬としてはPETN,RDX,HMX等の高性能爆薬が混合して使われ,ロケット推進薬としてコンポジット推進薬が新たに使われるようになった。【吉田 忠雄】
[工業]
 世界のおもな火薬メーカーには,アメリカのデュポン・ド・ヌムール,ハーキュリーズHercules Inc.,アトラス,イギリスのインペリアル・ケミカル・インダストリーズ(ICI),ドイツのダイナミート・ノーベル,スウェーデンのケマ・ノーベルKema Nobelなどがある。A.ノーベルがダイナマイトの製造を開始したスウェーデンのノーベル・インダストリーズ社は,1977年にスウェーデンの大手化学メーカーであるケマ・ノルド社Kema Nord A.B.と合併し,ケマ・ノーベル社となった。…

※「インペリアル・ケミカル・インダストリーズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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