ウィットねじ

百科事典マイペディア 「ウィットねじ」の意味・わかりやすい解説

ウィットねじ

英国ホイットワースが,ねじ互換性の必要から標準ねじとして案出した三角ねじ山形。史上初めてつくられたねじの規格で,英国で採用された。ねじ山角度は55°,大きさの系列はインチ寸法で与えられる。その後ヨーロッパ諸国,日本などで広く採用されたが,1958年以降は各国とも国際規格ISO(アイエスオー)ねじに移行し,日本では1968年以後廃止。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィットねじ」の意味・わかりやすい解説

ウイットねじ
Whitworth screw thread

イギリスの J.ホイットワースが発案した (1834) ものを基礎とする三角ねじ。かつてはウイットウォースねじと呼ばれていた。ねじ山の角度が 55°,基準山形としておねじの外径寸法がインチ寸法 (分数) で表わされ,ピッチが1インチ (25.4mm) あたりの山数で規定された。イギリスの産業革命に伴って生れたねじで,その後世界各国に広まったが,ユニファイねじISOインチねじが制定されるに及んで,国際資格を失った。 JISでは 1968年3月をもって廃止している。

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世界大百科事典(旧版)内のウィットねじの言及

【製図】より

…このような近代的生産様式がさらに進行するにつれ,この工程の問題に,さらに多量生産化の必然的な要請としての,製品の互換性の問題が次いで発生してきた。この時期におけるフランスのル・ブランLe Blancによる限界ゲージの発明(1785ころ),J.ホイットワースの提案に基づくねじの規格化(ウィットねじ,1841)などは,特筆に値するといえよう。 この時期に至って,技術者の製図に対する重要性の認識はきわめて明確となってきた。…

【ねじ】より

…現在のものと変わらないねじ切り旋盤をつくり,これによって締結用ねじおよび運動用ねじの大量生産の技術を確立したのは,これまたモーズレーの弟子であったJ.ホイットワースである。彼はさらにそれまで各自がばらばらに製造していたねじを規格化することを試み,彼の提案に基づいて1841年ウィットねじと呼ばれるねじ規格が制定された。 切削加工によるねじの製造とともに,塑性加工による製造も19世紀中ごろから試みられたが,転造による精密なねじの製造が可能になったのは1930年代の終りになってからである。…

※「ウィットねじ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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