機械や器具などの部分品で多く使用されるものは、その形状、寸法が規格統一されており、機能の同じものは互いに容易に交換できるようになっていることをいう。たとえば蛍光灯は、ワット数が同じであれば、その形状、寸法は、どのメーカーのものでも同じにできている。そのため、不良になったときには、どのメーカーのものでもただちに交換して取り付けることができる。
18世紀の末、アメリカのホイットニーは、銃器の生産に互換式を取り入れた。続いてコルトは、連発拳銃(けんじゅう)の生産に互換式製造法を応用し、部品寸法の標準化を行った。この方法を取り入れたことで拳銃の大量生産が可能となり、同時にその性能も向上した。互換式生産はその後アメリカで広まり、大量生産の端を開いた。同じく19世紀の中ごろ、イギリスのウィットワースJoseph Whitworth(1803―87)は標準ねじを提案し、続いてアメリカの技術者セラーズもねじの寸法を統一する案を示した。かくして、ねじは寸法が統一され互換性をもつようになった。現在では自動車用部品をはじめ、工業製品の多くの部分、家庭用器具に至るまで互換性のあるものが多く使用されている。互換性は大量生産に都合がよいばかりでなく、品質の向上、コストの低減にも役だち、使用者にとっても利点が多い。
[中山秀太郎]
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