ウィティコー(読み)うぃてぃこー(その他表記)Witiko

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィティコー」の意味・わかりやすい解説

ウィティコー
うぃてぃこー
Witiko

オーストリアの作家シュティフターの長編歴史小説。1865~67年刊。12世紀ボヘミア王位継承に端を発する内乱で、「正しい男にふさわしい大いなる運命を求める」主人公ウィティコーは、森に住む人々を率いて戦い、祖国に平和を回復する。「森のように考えることのできる」主人公は、正義のあり方を混乱の内に求めるが、彼の行動を決定するのは政治的大義でも権力への意志でもない。ひたすら、事物の要請することが何であるかを見極め、自由と決断のうちに生きようとする。ボヘミアの森はもはや歴史的現実からの逃避の場ではない。聖なる創造の痕跡(こんせき)をとどめる場のみならず、真の歴史を成立させる基盤となる。その意味でこの作品は「森の賛歌」といえる。

谷口 泰]

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