ウィーン・アピール(読み)うぃーんあぴーる(その他表記)Vienna (Wien) Appeal

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィーン・アピール」の意味・わかりやすい解説

ウィーン・アピール
うぃーんあぴーる
Vienna (Wien) Appeal

1950年代に世界的規模で展開された平和運動が行った訴えの一つ。第1回は1953年11月ウィーンで開かれた世界平和評議会総会で採択されたもので、米英仏ソ四大国会議の再開を歓迎するとともに、中国(中華人民共和国)を交えた五大国会議の開催を求め、朝鮮ドイツインドシナ問題の平和的解決、軍縮大量破壊兵器の禁止を呼びかけたもの。第2回は55年1月、同じくウィーンで開かれた世界平和評議会理事会で採択されたもので、前年3月アメリカが行ったビキニ水爆実験による第五福竜丸乗組員の被災にかんがみ、熱核兵器の恐ろしさを訴え、原子戦争の防止を強く呼びかけたもの。このアピールには日本の3300万を含め全世界から約7億の署名が集まった。

[藤村瞬一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android