ウォーレン・バフェット(読み)うぉーれん・ばふぇっと(英語表記)Warren Edward Buffet

知恵蔵 「ウォーレン・バフェット」の解説

ウォーレン・バフェット

米国の投資家、経営者、資産家。米ネブラスカ州オマハに本社がある世界最大の持株会社、バークシャー・ハサウェイの筆頭株主で、会長兼CEO(最高経営責任者)。1930年8月30日生まれ、オマハ出身。世界的な投資家として知られ、バークシャー社の傘下企業は80社超、2015年時点の時価総額は3600億ドル(約39兆円)、総資産5500億ドル(約59兆円)。同社は、クレジットカード会社のアメリカン・エキスプレスや飲料会社のコカ・コーラなど多くの優良企業の株も保有している。バフェットは、1979年に名前が掲載されて以来、米経済紙「フォーブス」の世界長者番付常連であり、2017年は、資産総額756億ドル(約8兆2000億円)で、首位の米マイクロソフト社創業者、ビル・ゲイツに次いで2位となった。現在もオマハで生活し、「オマハの賢人」と呼ばれている。
幼少期から、投資や経営の才覚を発揮した。6歳で祖父が営む食料雑貨店から仕入れたコーラを訪問販売して利益をあげ、11歳で初めてシティ・サービス社の株を購入、売却して利益を出した。15歳までに土地に投資し、17歳で、中古のピンボール台を購入して理髪店に置き、利用料を店と折半するというビジネスを始め、事業として成立させた。
ペンシルベニア大学ウォートン校ファイナンス学科で投資について学び、1949年、ネブラスカ大学に編入した。その頃、「バリュー投資の父」と呼ばれる経済学者、ベンジャミン・グレアム著書『賢明なる投資家』を読み、影響を受ける。50年に同大を卒業、コロンビア大学ビジネススクールに進学し、グレアムから投資理論を学んだ。
51年に同大ビジネススクールを卒業し、父親が経営する証券会社での勤務を経て、54年にはグレアムの資産運用会社であるグレアム・ニューマン入社した。同社が解散した56年、オマハで投資会社、バフェット・アソシエイツを設立し、幾つかの投資会社を結成した後、62年頃、全ての投資会社をバフェット・パートナーシップに統合した。
また62年、当時は繊維会社だったバークシャー株の購入を始め、翌63年に筆頭株主となる。65年に同社の会長に就任、69年のバフェット・パートナーシップ解散後は、バークシャー社の経営に専念し、繊維事業を縮小(85年に閉鎖)して、投資事業に軸足を移す。以後は食料品から衣料、家具、保険、不動産といった多様な業種の企業を次々と傘下に収め、経営の多角化を進めた。それと同時に幅広い分野の企業に投資し、利益をあげている。
バフェットは投資により、幾度も様々な企業の経営危機を救っている。社長が自殺し、妻が社長となった米日刊紙、ワシントン・ポスト株を73年に取得し、翌74年には取締役に就任、社長へのアドバイスを通して、同社の業績回復を助けた。76年には、多額の赤字を抱えた損害保険会社、ガイコ株を購入し、経営危機を救っている。更に87年、投資銀行、ソロモン・ブラザーズが買収攻勢に遭った際は、同社の株を引き受け、91年には、米国債の不正入札事件などで経営が傾いた同社の会長に就任して立て直した(92年に退任)。
慈善事業家としても有名で、2006年には、約370億ドル(約4兆円)を、米マイクロソフト社創業者のビル・ゲイツ夫妻が創設した財団、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団などに寄付している。
私生活では、1952年に結婚した前妻との間に、二男一女がいる。前妻とは後に別居、2004年に死別し、06年に現在の妻と再婚している。

(南 文枝 ライター/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

現代外国人名録2016 「ウォーレン・バフェット」の解説

ウォーレン バフェット
Warren Edward Buffet

職業・肩書
投資家,慈善事業家 バークシャー・ハサウェイ会長・CEO 元ソロモン・ブラザーズ会長

国籍
米国

生年月日
1930年8月30日

出生地
ネブラスカ州オマハ

学歴
ネブラスカ大学卒,ペンシルベニア大学卒,コロンビア大学ビジネス・スクール卒

経歴
コロンビア大学で修士号取得。1954年ニューヨークのグラハム・ニューマンに入社。アナリストを経て、’56年バフェット合名会社を設立。’64年バークシャー・ハサウェイを買収。’69年より会長兼CEO(最高経営責任者)。以後、紳士服から家具、保険まで手がける多角経営化で有力企業に育て上げる。’87年ソロモン・ブラザーズがレブロン・グループによる敵対的買収攻勢にあった際、ソロモン株を大量に引き受け自ら取締役に加わる。’91年国債不正入札事件に揺れるソロモンの暫定会長兼最高責任者に就任、経営立て直しに尽力。’92年5月退任。’94年米経済誌「フォーブス」の選ぶ世界長者番付の1位になる。’89年〜2006年コカ・コーラ社取締役。2011年末以来、ネブラスカ州の地元紙をはじめ、計63紙の地方紙を次々に買収し注目を集める。慈善事業家としても知られ、2006年約370億ドル(約4兆3000億円)をマイクロソフトのビル・ゲイツ会長夫妻が創設した財団ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金などに寄付、自らの財産の8割以上を手放す“史上最高額”の寄付となった。2008年及び2010年に再び「フォーブス」の世界長者番付1位となる。“投資の神様”“オマハの賢人”と呼ばれる。2011年初来日。

出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報

367日誕生日大事典 「ウォーレン・バフェット」の解説

ウォーレン バフェット

生年月日:1930年8月30日
アメリカの株式投資家;経営者;慈善家

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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