ウズベク・ハン(読み)うずべくはん(その他表記)Özbeg Khan

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウズベク・ハン」の意味・わかりやすい解説

ウズベク・ハン
うずべくはん
Özbeg Khan
(1300―1341)

チンギス・ハンの孫バトゥが創建したキプチャク・ハン国の第9代君主(在位1313~41)。聡明で容姿端麗、敬虔(けいけん)なイスラム教徒であったと伝えられている。王位を奪取したのち、サライ・バトゥからサライ・ベルケへと公式に遷都した。都市生活を重視し、イスラム教を正式に取り入れて、首都にモスクメドレセイスラム高等学院)、宮殿などを建設。産業、貿易の振興を図って、キプチャク・ハン国の最盛期を現出させた。内政は、モンゴルの伝統にのっとって行い、外交面では、ロシア諸侯や東ヨーロッパ諸国を武力で圧迫し、イランのイル・ハン国とカフカスをめぐって対立する一方、元朝やビザンティン帝国エジプトマムルーク朝とは友好関係を保った。

堀川 徹]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウズベク・ハン」の意味・わかりやすい解説

ウズベク・ハン(月即別汗)
ウズベク・ハン
Uzbeg Khān

[生]1283
[没]1342
キプチャク・ハン国のハン (在位 1312~42) 。イスラムを国教として採用し,その治世にキプチャク・ハン国は軍事的にも経済的にも全盛期に達した。ウズベキスタンの基本住民ウズベク族の名は,彼にちなんだもの。

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