ウマビル(読み)うまびる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウマビル」の意味・わかりやすい解説

ウマビル
うまびる / 馬蛭
[学] Whitmania pigra

環形動物門ヒル綱顎(あご)ビル目ヒルド科に属する動物。水田、池、沼などにすみ、冬は泥の中に隠れる。体は扁平(へんぺい)で、長さ10~15センチメートル、幅2センチメートル内外。背面オリーブ色で5本の暗色の縦線がある。腹面は淡色で小さい暗色の斑点(はんてん)が縦に並ぶ。前吸盤は非常に小さく、その底に口がある。口には3個のあごがあるが、ヒトの皮膚に傷をつけて吸血することはない。後吸盤は円形で大きい。体中央部では1体節に5体環ある。目は5対あり、第2、3、4、6、9体環上にある。雌雄同体で、雌雄生殖口は第11と第12体節に開く。胃の側盲嚢(そくもうのう)は小さい。日本各地に広く分布する。なお、和名の「ウマ」は大形の意味である。

[今島 実]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウマビル」の意味・わかりやすい解説

ウマビル
Whitmania pigra

環形動物門ヒル綱顎ビル目ヒルド科。オリーブ色の地に5本の黒い縦線をもつヒル。体長 10~15cm,中央部の体幅 2cm内外。体は長い紡錘形で扁平。腹面には黒い斑点が縦に並ぶ。側縁は淡黄色。前方の吸盤は非常に小さい。口には3個の顎があるがいずれも小さく,また胃の側盲嚢も小さいので,人を傷つけて吸血することはない。眼は5対で,第2,3,4,6,9体環上に位置する。雄の生殖口は第 11体節,雌の生殖口は第 12体節に開く。水田,池,沼などにすみ,日本各地に広く分布する。

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