日本大百科全書(ニッポニカ) 「エウフォリオン」の意味・わかりやすい解説 エウフォリオンえうふぉりおんEuphoriōn 生没年不詳。古代ギリシアの詩人。エウボイアの出身。生年は紀元前275年ごろとされるが、疑問が多い。シリアのアンティオコス3世からアンティオキアの図書館長に招かれた。多作であったが、わずかな断片しか現存しない。いわゆるエピュリオン(小叙事詩)がほとんどで、トロヤ伝説や地方の歴史と伝承をテーマにし、意表をつく技巧と衒学(げんがく)的なことばが目だつ。影響はローマの古典期に及び、キケロをして「エウフォリオンの徒」と慨嘆させたほど多くの私淑者を生んだ。[伊藤照夫] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エウフォリオン」の意味・わかりやすい解説 エウフォリオンEuphoriōn [生]前275[没]前200頃ギリシアの詩人。そのエピュリオン (小叙事詩) はのちローマの詩人ガルスによってラテン語に訳され,カツルス,ウェルギリウスらに多大の影響を与えたといわれる。現存するのは断片のみ。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報