カツルス(その他表記)Catulus, Quintus Lutatius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カツルス」の意味・わかりやすい解説

カツルス
Catulus, Quintus Lutatius

[生]前120頃
[没]前61/前60
古代ローマの政治家。同名の父は,G.マリウスに追放され,自殺している。反マリウス派となり,前 78年 L.スラ支持され執政官 (コンスル ) に就任閥族派 (オプチマテス ) の代表として元老院の伝統を守った。ポンペイウス (大ポンペイウス) ,ユリウス・カエサル対立,前 63年大神官の選挙でカエサルに敗れ,カエサルを L.カチリナの陰謀事件に加担したとの嫌疑をかけようとしたが失敗し,その後まもなく死んだ。

カツルス
Catullus, Gaius Valerius

[生]前84頃.ベロナ
[没]前54
ローマの抒情詩人。前 62年頃ローマに出,社交界に入り,アレクサンドリア派に傾倒する若い文学者たちの仲間に加わって詩作にふけった。のち,年上の人妻クロディアとの愛に破れ,小アジアへおもむく前法務官メンミウスの随行員となる (前 57) 。詩はクロディア (詩中のレスビア) への愛の歓苦を歌ったものが多く,おりおりの感興,文学批評,人物論,個人攻撃などをテーマにした短い詩や,兄の法事,春の歌,故郷のシルミオ岬などの歌も名高い。特に第 68歌はローマの恋愛エレゲイア詩の先駆とされる。

カツルス
Catulus, Quintus Lutatius

[生]?
[没]前87?
古代ローマの軍人。前 102年 G.マリウスの支持で執政官 (コンスル ) になる。マリウスとともに北イタリアに侵入してきたゲルマンキンブリ族テウトニ族と戦い,勝利を得たが,その功績がマリウスに帰すると,マリウスの政敵 L.スラと結んだ。そのためマリウスより追放され,自殺。教養があり,詩を書き,文人 M.キケロの尊敬を得た。

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