エウブーロス(読み)えうぶーろす(その他表記)Euboulos

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エウブーロス」の意味・わかりやすい解説

エウブーロス
えうぶーろす
Euboulos
(前405ころ―前335ころ)

アテネ政治家財政家。紀元前350年代後半、行政剰余金からなる祭祀(さいし)金(テオリカ)の運用を通して、国家財政の全体を掌握し、軍事支出を抑え、経済振興策をとって、破綻(はたん)に瀕(ひん)した国家財政を再建した。外交政策では平和主義をとり、前340年後半にはマケドニアとの平和維持路線を代表したが、デモステネスらの主戦派が支配的になるとともに、彼の影響力は失われた。

[篠崎三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android