エクマン吹送流(読み)エクマンスイソウリュウ(その他表記)Ekman drift current

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エクマン吹送流」の意味・わかりやすい解説

エクマン吹送流
エクマンすいそうりゅう
Ekman drift current

風が海水を引きずって起こす海流を吹送流というが,1902年スウェーデンの海洋学者 V. W.エクマンは,この運動には地球自転の転向力 (コリオリの力) が働いており,北半球では風向に対して表面海流は 45°右 (南半球では 45°左) にずれ,風向とのずれは下層に向かってさらに大きくなる,という理論を立てた。 19世紀末 F.ナンセンの『フラム』号による北極探検の際,氷は風向と異なる方向に流されるという発見にヒントを得たものである。流向が風向と逆になる深さ (摩擦影響深度) は粘性係数と緯度によって変わるが,数十~100m程度である。この深さでは流速は表面流の4~5%になる。深くなるにつれて流向はずれながら流速が小さくなる。これをエクマンらせん (エクマンスパイラル) という。また,海面からの流れを深さ方向に加えていくと,風の方向への海水の輸送はゼロとなり,北半球では風の吹き去る向きに右 (南半球では左) 直角に海水が輸送される。これをエクマン輸送と呼ぶ。

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最新 地学事典 「エクマン吹送流」の解説

エクマンすいそうりゅう
エクマン吹送流

Ekman drift current

風の応力によって直接生じる海流。コリオリの力によって,エクマン吹送流の海面での流向は,北半球では風の方向に対して右45°, 同じく南半球では左45°にずれる。海面からの深度とともに,このずれの角度は増加し,速度は減少する。一定の深度(摩擦深度)に達すると風の影響はなくなる。海面から摩擦深度までをエクマン層と呼び,エクマン層内の流れの方向と速度の変化によってできる構造をエクマンらせんと呼ぶ。実際の海流は,個々地点でのエクマン吹送流が合成されたものと考えられている。

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