エスカレータ条項(読み)エスカレータじょうこう(その他表記)escalator clause

翻訳|escalator clause

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エスカレータ条項」の意味・わかりやすい解説

エスカレータ条項
エスカレータじょうこう
escalator clause

ロンドン海軍軍備制限条約 (1930.4.22.調印) 第 21条の規定条約は艦船制限を本旨としながらも,その第 21条で締約国 (イギリス,アメリカ,日本) のいずれかが非締約国の新艦建造により自国の安全が甚大な影響を受けたと認識した場合,その旨を他の締約国に通告したうえで艦船量を拡張することができ,他の締約国もこれに比例した増強を行いうるという重大な例外を認めた。この条項は,条約に非加入のフランスイタリア不信をいだくイギリスが,日本,アメリカの難色を押切って成立させたもの。

エスカレータ条項
エスカレータじょうこう
escalator clause

物価が上昇したり,生産効率が著しく向上した場合には,それに見合って賃金を引上げることを定めた労働協約の条項。物価上昇に見合ってエスカレータ条項を設けるのは,激しいインフレの場合,物価上昇に労働者の賃金が追いつかないのを防ぐためであり,物価スライド制とも呼ぶ。 (→インデクセーション )

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