世界遺産詳解 「エルビル城塞」の解説 エルビルじょうさい【エルビル城塞】 2014年に登録された世界遺産(文化遺産)。エルビル城塞はイラクの北部、クルディスタン地域のクルド自治区が首都とする、イランとトルコ国境に位置する歴史的な都市。城塞は、数世代の人々の居住地として人工的に土が盛られ多卵形の広大な丘にあり、その上に最古の、人間が継続して居住した集落ともいわれる要塞化された住居があり、現在の外観も切れ目のない壁が難攻不落のイメージを与える。古くはアルベラと呼ばれ、アッシリアの統治下で政治的・宗教的中心地として繁栄した。シルクロードの要衝であることからアレクサンドロス帝国、イスラム帝国、オスマン帝国など各時代の大国の支配を受け続け、さらにはガウガメラの戦い(アルベラの戦い)など数多くの戦場となった。独特の扇状の模様を特徴とする城塞は、エルビルの後期オスマン朝の時代まで遡る。シュメール、アッシリアの遺物やイシュタル神殿の遺構などが埋まっている。◇英名はErbil Citadel 出典 講談社世界遺産詳解について 情報