イラン北部をカスピ海沿いに東西に走る山脈。ペルシア語で正しくは,アルボルズ山脈Reshteh-ye Alborzと呼ばれる。延長約1000km。西部には3000m級の山が多い。最高峰は標高5671mのダマーバンドDamāvand山。東はパロパミサス山脈からヒンドゥークシュ山脈に,西はアルメニア高原につづく。北面は豊かな降水量に恵まれ(西部で年1500mmをこす),温帯広葉樹林が繁茂し,平野部では米,茶,タバコなどが栽培され,人口も稠密である。一方南面では年降水量は300mmに達せず,植生に乏しい。この山脈の名は14世紀のハムド・アッラーフ・アルムスタウフィーの地理書に初めて現れる。
執筆者:岡﨑 正孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
イラン北部を東西に走るアルボルズ山脈の別称。
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