エーリキア症(読み)エーリキアしょう(その他表記)Ehrlichiosis

六訂版 家庭医学大全科 「エーリキア症」の解説

エーリキア症
エーリキアしょう
Ehrlichiosis
(感染症)

どんな感染症か

 リケッチア一種、エーリキアによる感染症で、本来はダニと動物間での感染サイクルが成り立っていますが、たまたま感染ダニがヒトを刺すと人体内にエーリキアが移行して発症します。

 3つの異なるエーリキアによって、それぞれヒト顆粒球(かりゅうきゅう)エーリキア症、ヒト単球エーリキア症、腺熱(せんねつ)エーリキア症を起こします。現在のところ日本での発生は認められていません。

症状の現れ方

 発熱頭痛貧血白血球減少、血小板減少など、インフルエンザと似た症状を示します。通常は軽症ですが、免疫抑制状態にある患者さんや、治療が遅れた患者さんの場合は重篤で、時に死亡することもあります。

検査と診断

 患者さんからの菌検出や血清抗体で診断しますが、特殊検査となり、一部の研究機関でのみ可能です。

治療・予防の方法

 有効な抗菌薬による治療と、全身状態を改善する治療が行われます。

岸本 寿男

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

関連語 せんねつ 腺熱

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