日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオアザミ」の意味・わかりやすい解説
オオアザミ
おおあざみ / 大薊
[学] Silybum marianum Gaertn.
キク科(APG分類:キク科)の耐冬性一年草。南ヨーロッパ、北アフリカ、アジア原産。開花時には高さ1メートルにもなる。葉は大きく、アザミの葉に似て葉縁に強い刺(とげ)があり、基部は茎を包む。葉面は光沢のある緑色で、乳白色の斑紋(はんもん)が葉脈に沿ってある。5~6月に径4センチメートルの淡紅紫色の頭状花をつける。1株でよく1平方メートルにまで繁茂する。広い花壇または自然風の花壇に観葉の目的で育てるとよい。秋に日当りのよい花壇に直接種子を播(ま)く。移植は好まない。自然に種子がこぼれて殖えるほどじょうぶである。
聖母マリアがある日この植物のそばを通りかかり、思わず刺に触れたところ、捧(ささ)げていたミルクを葉の上にこぼし、その滴があとをとどめて乳白斑に現れたという伝説に、種名も英名(St. Mary's thristleマリアアザミ)も由来する。
[山口美智子 2022年2月18日]