おおけなし(読み)オオケナシ

デジタル大辞泉 「おおけなし」の意味・読み・例文・類語

おおけ‐な・し〔おほけ‐〕

[形ク]
態度言動が、身分能力年齢などに比べ、出すぎているさま。身のほどをわきまえない。大胆である。大それている。
「いと―・き心の侍りけると、思しとがめさせ給はむを」〈かげろふ・下〉
おそれ多い。もったいない。
「腹なるちごは―・くも、琉球国王世子よつぎのみこと仰がれ」〈読・弓張月

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精選版 日本国語大辞典 「おおけなし」の意味・読み・例文・類語

おおけ‐な・しおほけ‥

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 身分、地位、能力、年齢などから考えて、心・態度・ふるまいがふさわしくなく、出すぎているさまを表わす。
  2. 身のほど知らずである。分不相応である。あつかましい。無礼である。
    1. [初出の実例]「今日おもひいづれば、むかしも心のゆるぶやうにもなかりしかば、我心のおほけなきにこそありけれ」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
    2. 「信頼の衛門督(ゑもんのかみ)、おほけなく二条院をおびやかし奉りしも」(出典:増鏡(1368‐76頃)二)
  3. 大胆である。不敵である。
    1. [初出の実例]「此男の唏(おほけな)く只一人して、然計(さばかり)眷属(くんぞく)(ひま)(な)く守(まぼ)る者を、心の如く罸(う)ち得るは」(出典:今昔物語集(1120頃か)二五)
  4. おそれ多い。もったいない。
    1. [初出の実例]「忝けなき御ン寝覚や国栖が笛」(出典:雑俳・不断桜(1703))

おおけなしの派生語

おおけな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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