日本大百科全書(ニッポニカ) 「オナガグモ」の意味・わかりやすい解説
オナガグモ
おながぐも / 尾長蜘蛛
long tailed spider
[学] Ariamnes cylindrogaster
節足動物門クモ形綱真正クモ目ヒメグモ科に属するクモ。体長2.5センチメートルほどの細長いクモで、脚(あし)を前後にまっすぐ伸ばすと4センチメートルぐらいになる。体色が緑色と褐色の2型がある。網は糸を2~3本引いた単純な条網(すじあみ)で、その上に脚を伸ばしていると松葉がかかっているようにみえ、動くまでクモであることに気がつかないほどである。日本から台湾にかけて広く分布し、平地から山野にすむ。ときにこのクモの引いた糸を伝わってほかのクモがくることがあるが、このときオナガグモは後脚の間に糸を引いて待ち構え、捕り縄のようにしてそのクモをとらえる。ほかのクモをとらえて食べるクモとして有名である。イソウロウグモの仲間であるが、ほかのクモの巣に居候生活はしない。
[八木沼健夫]