オビリンサン(読み)おびりんさん(その他表記)banded linsang

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オビリンサン」の意味・わかりやすい解説

オビリンサン
おびりんさん
banded linsang
[学] Prionodon linsang

哺乳(ほにゅう)綱食肉目ジャコウネコ科の動物。タイ、マレー半島スマトラ島ジャワ島ボルネオ島に分布する。体に大小さまざまの不規則な帯状や点状の斑紋(はんもん)がある。頭胴長35~45センチメートル、尾長31~42センチメートル、体重6~7キログラム。体は細長く、前後肢は短い。背を横切る5本の斑紋、体側には2列に不規則な斑紋と帯、尾には7本の黒色輪がある。おもに樹上にすむが、食物の鳥、ネズミヘビなどを探しに地上に降りる。大木の下などに木の枝や葉を集めて巣をつくる。1産2~3子。寿命は6~9年ぐらいである。ネパールからインドシナ半島まで分布する近縁ブチリンサンP. pardicolorは斑紋が小さく、尾の黒色輪が約9本ある点で異なるが、習性は類似する。

[吉行瑞子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オビリンサン」の意味・わかりやすい解説

オビリンサン
Prionodon linsang; banded linsang

食肉目ジャコウネコ科。体長 40cm内外。ブチリンサンによく似るが,それよりやや大きく,また体の斑紋も大きく,胴を横断する帯のように連なる。このためその名がある。体の地色淡褐色夜間活動し,ネズミ,トカゲ,鳥などを食べる。木の葉や小枝などを用いて,大木の根の下の穴の中に巣をつくり,1産3子ほどの子を産む。タイ,ミャンマー,マレー半島,スマトラ島,ジャワ島,ボルネオ島に分布し,森林地帯に生息する。

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世界大百科事典(旧版)内のオビリンサンの言及

【リンサン】より

…東南アジアに2種,アフリカに1種が分布する。アジア産はオビリンサンPrionodon linsang(イラスト)とブチリンサンP.pardicolorで,体長35~45cm,尾長30~42cm,体重700g前後。体は灰色だが,白色を帯びたものから褐色を帯びたものまである。…

※「オビリンサン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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