ブチリンサン(読み)ぶちりんさん(その他表記)spotted linsang

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブチリンサン」の意味・わかりやすい解説

ブチリンサン
ぶちりんさん
spotted linsang
[学] Prionodon pardicolor

哺乳(ほにゅう)綱食肉目ジャコウネコ科の動物。ネパールアッサムミャンマービルマ)北部、タイ、インドシナ半島まで分布する。頭胴長35~37センチメートル、尾長31~34センチメートル、体重4~5キログラム。オビリンサンに似るが体はやや小形で、オビリンサンのような縞(しま)模様がなく、体の地色朽ち葉色、体背面に小さな黒色斑点(はんてん)が縦に並ぶ。尾に8~10本の黒色輪がある。熱帯多雨林にすみ、海抜2000メートル以上の山岳地帯に多くみられる。木登りが巧みで、夜行性。樹洞に巣をつくり、2~8月に1産2子を産む。おもに小鳥を捕食する。

[吉行瑞子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブチリンサン」の意味・わかりやすい解説

ブチリンサン
Prionodon pardicolor; spotted linsang

食肉目ジャコウネコ科。体長 38cm内外。オビリンサンに似るが,それよりも体が小さく,体上面の斑紋も小さく,帯状にならず点状に並ぶ。体の地色は淡黄褐色。悪臭を出す臭腺はない。小鳥,ネズミ昆虫などを食べる。動作が敏捷で,木登りが得意。日中は樹洞に隠れているが,夜間出てきて,食物をあさる。年2回,1産2~3子を産む。中国西南部,ラオスベトナム,ミャンマー,ネパールに分布し,森林にすむ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のブチリンサンの言及

【リンサン】より

…東南アジアに2種,アフリカに1種が分布する。アジア産はオビリンサンPrionodon linsang(イラスト)とブチリンサンP.pardicolorで,体長35~45cm,尾長30~42cm,体重700g前後。体は灰色だが,白色を帯びたものから褐色を帯びたものまである。…

※「ブチリンサン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android