おぼめく(読み)オボメク

デジタル大辞泉 「おぼめく」の意味・読み・例文・類語

おぼ‐め・く

[動カ四]
1 はっきりしないさまである。あいまいである。ぼやける。
「源氏に琴きんの御こと賜ひて遊ばす。つつむことなく―・くことなし」〈宇津保・吹上下〉
2 いぶかしく思う。不審に思う。
「やや、こはいかにとのみこそ―・かせ給へ」〈栄花・衣の珠〉
3 はっきりわからないふりをする。はぐらかす。とぼける。
「姫君なんどをいさ知らずと、―・き給ふべき御事にあらじ」〈浜松・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「おぼめく」の意味・読み・例文・類語

おぼ‐め・く

  1. 〘 自動詞 カ行四段活用 〙 ( 「めく」は接尾語 ) ぼんやりした、はっきりしない状態、動作を表わす。
  2. ① 頼りなく自信なげにふるまう。
    1. [初出の実例]「御遊び始まりて、うへ琵琶(びは)の御こと、〈略〉源氏に琴(きん)の御こと賜ひて遊ばす。つつむことなく、おぼめくことなし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上下)
  3. ② 事の真偽の見分けがつかなくなる。そうかもしれない、あるいはそうでないかもしれないと疑わしくなる。
    1. [初出の実例]「わくらばにまれなる人のたまくらは夢かとのみぞおぼめかれける」(出典:亭子院御集(10C中))
    2. 「ほととぎすはつかなる音を聞きそめてあらぬもそれとおぼめかれつつ〈伊勢〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)夏・一八九)
  4. ③ 納得できなくて不思議そうにする。不審がる。いぶかしがる。
    1. [初出の実例]「良清驚きて『入道は〈略〉ことなる消息をだに通はさで久しうなり侍りぬるを、波のまぎれにいかなることかあらむ』とおぼめく」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
  5. ④ 知っていながらよくわからないようなふりをする。そらとぼける。
    1. [初出の実例]「わかやかなるけしきどもして、おぼめくなるべし、『ほととぎす言問ふ声はそれなれどあなおぼつかなさみだれの空』」(出典:源氏物語(1001‐14頃)花散里)
  6. ⑤ おぼつかない言い方をする。どもる。〔観智院本名義抄(1241)〕

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