改訂新版 世界大百科事典 「オランダセンニチ」の意味・わかりやすい解説
オランダセンニチ
Spilanthes acumella L.
東南アジア原産のキク科の一年草。見たところ花がヒユ科のセンニチコウに似ているので,センニチモドキの別名がある。草丈は約30cm,地際でよく枝を分け,褐色がかった緑色の広卵形の葉を対生する。7~9月に枝を分けた茎頂に直径約2cmの長球形の頭状花をつけるが,舌状花はまったくない。管状花ばかりの集まりで,開いたものは緑黄色,頂部の開かない花は褐色で,その色合いがおもしろいので切花として栽培されることがある。緑葉で花色が黄緑色のキバナオランダセンニチS.oleraceae Murr.は前種とともに刺激的な風味があるので,香辛料として利用される。この種はオランダセンニチの変種とされることも多い。
種まきは4月。露地まきでもよいが,平鉢に排水のよい調合土をみたしてまき,室内やフレームで発芽させたものを平箱に一度仮植えしておき,5月に1本当り20cm×25cmで花壇に植えつけるか,植木鉢に植える。
執筆者:浅山 英一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報