改訂新版 世界大百科事典 「オルバニー会議」の意味・わかりやすい解説
オルバニー会議 (オルバニーかいぎ)
Albany Congress
1754年,アメリカのオルバニー(現,ニューヨーク州の州都)で開かれた北アメリカ植民地会議。18世紀初め以来,英仏本国の対立は北アメリカ大陸の植民地間の対立を激化し,インディアンは親仏的であった。54年イギリス本国は,北アメリカ植民地の統一支配と共同防衛の方針を固め,ニューイングランド,ニューヨーク,ペンシルベニア,メリーランドの代表をオルバニーに集め,植民地連合政府の樹立を協議させ(6月19日~7月10日),B.フランクリン起草のオルバニー連合案が採択された。これは国王任命の総督1名と,各植民地議会の選出する代表が構成する連合会議よりなる連合政府構想であった。しかし,本国政府は民主的すぎるとして拒否し,各植民地は国王大権を尊重しすぎるとして拒否したため,実施されなかった。独立気運が高まると,民衆支配を恐れる保守派は,この案を参考にして,本国政府に代わる統一政府の樹立を主張し,次いで,連合規約起草委員会もこの案を参考にした。
執筆者:武則 忠見
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報