オルレアンの乙女(読み)オルレアンのおとめ(その他表記)Die Jungfrau von Orleans

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルレアンの乙女」の意味・わかりやすい解説

オルレアンの乙女
オルレアンのおとめ
Die Jungfrau von Orleans

ドイツの詩人,劇作家シラー戯曲。 1801年初演。百年戦争の末期,イギリスの進攻からフランスを救ったジャンヌ・ダルクの伝説を劇化した作品。イギリス軍によりオルレアンが包囲されているとき,片いなかの農夫の娘ヨハンナ (ジャンヌ) は,霊感により聖母マリアから,祖国危急を救いカルルを王位につけるよう使命を授けられる。彼女は敵を撃退して祖国に勝利をもたらすが,戦場で遭遇したイギリスの士官ライオネルに恋心をいだき,その霊的な力を失ってしまう。祖国救済の崇高な使命と世俗的な恋との間で悩むこの少女は,最後には一切の煩悩を脱し,栄光に包まれて昇天する。ジャンヌ・ダルクは,シラーによって大自然のなかで育った清純な乙女に変えられている。

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世界大百科事典(旧版)内のオルレアンの乙女の言及

【ジャンヌ・ダルク】より

…フランスの愛国的少女。〈オルレアンの乙女〉と呼ばれる。 百年戦争も後半に入って,フランス王国は再びイギリス軍の侵攻を迎えた。…

※「オルレアンの乙女」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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