お坊吉三(読み)オボウキチサ

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「お坊吉三」の解説

お坊吉三 おぼう-きちさ

歌舞伎「三人吉三廓初買」の登場人物
安森源次兵衛の長男で,侍くずれの盗賊。お嬢吉三,和尚吉三と盗賊どうしで義兄弟の契りをかわす。100両の金をめぐって物語が展開し,最後捕方(とりかた)にかこまれ,3人が刺しちがえて死ぬ。河竹黙阿弥の作で,安政7年(1860)江戸市村座初演。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のお坊吉三の言及

【三人吉三廓初買】より

河竹黙阿弥作。1860年(万延1)1月江戸市村座で,和尚吉三を4世市川小団次,お嬢吉三を3世岩井粂三郎(のちの8世岩井半四郎),お坊吉三を初世河原崎権十郎(のちの9世市川団十郎),土左衛門伝吉を3世関三十郎らが初演。この年は庚申(かのえさる)の年だったので,庚申の宵に懐妊した子は盗癖があるという俗説にちなんで,〈八百屋お七〉の趣向により〈吉三〉と名のる3人の盗賊を活躍させた白浪物。…

※「お坊吉三」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android