日本大百科全書(ニッポニカ) 「カステラーニ」の意味・わかりやすい解説
カステラーニ
かすてらーに
Renato Castellani
(1913―1985)
イタリアの映画監督。北イタリアのフィナーレ・リグーレに生まれる。ミラノの大学で建築を学び、映画界に入り、『2ペンスの希望』(1952)で注目された。これは、復員した青年のナポリでの職探しの青春を爆発的リズムで描き、ネオレアリズモの作風に、楽天的エネルギーと地方主義を加えた作品である。『ロミオとジュリエット』(1954)は、永遠の悲劇をベローナ現地撮影によるドキュメンタリー的方法で描いた。こうしたネオレアリズモの史劇映画作法は、イタリア放送協会ほかのテレビと映画の積極的合作『レオナルド・ダ・ビンチの生涯』(1971)でさらに深化された。レオナルドの生涯は、記録とその空白を埋める現代の解説者で構成されていた。近作に『ベルディの生涯』(1982~1983)がある。
[鳥山 拡]