カプニスト(読み)かぷにすと(その他表記)Василий Васильевич Капнист/Vasiliy Vasil'evich Kapnist

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カプニスト」の意味・わかりやすい解説

カプニスト
かぷにすと
Василий Васильевич Капнист/Vasiliy Vasil'evich Kapnist
(1758―1823)

ロシア詩人劇作家。ギリシア人を祖先にもつウクライナ貴族の出身であるが、作品はロシア語で発表した。近衛(このえ)連隊に勤務中に詩人デルジャービンと知り合い、生涯の友となる。啓蒙(けいもう)主義の立場から頌詩(しょうし)『奴隷制をうたえる』などで農奴制を批判し、喜劇『訴訟好き』(1791~92)では腐敗した裁判制度を風刺した。この劇は1798年に初演されたが、その批判の鋭さのゆえに、その後の上演を禁止された。古典語やヨーロッパ諸言語に堪能(たんのう)で、ホラティウスモリエールなどの翻訳者として知られ、アナクレオン風の軽妙な叙情詩も書いた。

中村喜和

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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