カムイノミウシ(読み)かむいのみうし

日本歴史地名大系 「カムイノミウシ」の解説

カムイノミウシ
かむいのみうし

アイヌ語に由来する地名。現能取のとろ湖口から能取岬を回り網走川河口方面へ、海岸筋を通らず一部内陸部を通過する道筋(ノトロ山道)にある地名。ノトロ山道往来する人がここで煙草などを捧げて神に旅の平安を祈ったという(知里真志保「網走郡内アイヌ語地名解」)。「協和私役」に「ノトロの岬恠岩道なし。行くべからず。是より山道に入る。一里許、カムイノミウシと云。深林中一孤亭あり。客の往来に備ふ。夷人茶を煮る。(中略)亭の前に腐木横はり大さ数抱なる其上にイナヲと云ものを立つ。其形細木の長さ二、三尺の者を剪り其頭を細く削り、尚木と連ならしめ、世に云ふ削り掛け様に製し、其根をば尖にし刺し易からしめ、是を腐木上に立つ甚多し。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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