カラー・ダイナミックス(読み)からーだいなみっくす(その他表記)colo(u)r dynamics

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラー・ダイナミックス」の意味・わかりやすい解説

カラー・ダイナミックス
からーだいなみっくす
colo(u)r dynamics

色彩調節、カラー・コンディショニングcolo(u)r conditioningともいい、とくに産業における色彩調節をさす場合に用いられる。カラー・ダイナミックスは、天井、壁など作業環境を明るくして照明効果を高め、機械、装置に適切な塗色を施すことによって識別を容易にするとともに安全性を高め、全体として作業者への心理的効果をよくすることを通じて、生産能率の増進、作業環境の快適化、事故・災害の防除の効果を追求するものである。

 工場における色彩調節は、建物、設備、機械類について能率向上と災害防除の見地を主に実施される。具体的に例示すれば一般に次のような色彩が使われる。機械の本体・作業台は緑色をはじめ、注油孔(赤色)、部品棚・保護装置(赤みをもつ黄色)、給油装置(青色)、運搬装置(黄色と黒色斜線)、消火系統(赤色)、給水系統(青色)、配電系統(橙(だいだい)色)、空気系統(空色)などである。危険度の高いものには、注意を喚起し、反射行動を刺激する色彩の用いられることがわかる。このようなハードウェアに対するもののほか、工程の進度を色彩表示により管理するなど、ソフト面にも色彩が応用される。また、事務室などでは、位置広狭、利用目的、照明、窓、什器(じゅうき)などの相違に応じて、色彩を調節する。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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