カリオカル(読み)かりおかる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリオカル」の意味・わかりやすい解説

カリオカル
かりおかる
[学] Caryocar

カリオカル科の高木ないし低木。有用植物として20種が知られる。葉は対生し、3小葉からなる掌状葉で葉柄は長く、花は総状花序につき、美しく、雄しべは数百本。果実は堅果で、果皮は硬い革質。属名はギリシア語のkaryon(堅果)による。南アメリカ中部および北部のブラジル、フランス領ギアナスリナムガイアナエクアドルと西インド諸島などに原生する。バターナットノキbutter nut/C. nuciferum L.はガイアナからブラジル北東部にかけ原生する高木で、西インド諸島の一部で栽培する。結実までに長年を要する。別名ガイアナナット、パラダイスナットともいい、生食、菓子、油料とする。材はじょうぶで舟材とし、庭園樹にもよい。ピキーpiqui/C. brasiliense Cam.はブラジル中部のセラードに多い小高木で果実を煮食、油料とし、材は家具、舟材とし、樹皮よりタンニンをとる。これらのほかペキアーpequiá (C. butyrosum W.)、C. amygdaliferum Mutis、C. tomentosum Willd.の果実は生食、油料とされ、C. glabrum Perr.はソープウッドsoap woodとよばれ、ガイアナ地方で皮をせっけんの代用とする。

[飯塚宗夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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