カリブ海地域支援構想(読み)カリブかいちいきしえんこうそう(その他表記)Caribbean Basin Initiative; CBI

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリブ海地域支援構想」の意味・わかりやすい解説

カリブ海地域支援構想
カリブかいちいきしえんこうそう
Caribbean Basin Initiative; CBI

1983年7月アメリカ合衆国のレーガン政権が打ち出したカリブ海地域非共産圏諸国に対する経済協力政策パッケージ。1984年1月発効。12年間をかぎって約 6000品目について輸入関税免除,アメリカからの原料・半製品輸入に対し年額 3億5000万ドルの融資枠新設,同地域に投資するアメリカ企業に対する免減税措置などを含む。ニカラグア革命とゲリラ活動の激化,麻薬密輸の活発化への対抗策であり,1984年1月のキッシンジャー委員会報告と密接な関係にある。1986年の議会報告によれば,現地のインフラストラクチャーがあまりに不備なため投資促進効果は期待はずれであったといわれる。1989年 CBI促進法が制定されたが,1990年ニカラグアの内戦終結などによりその意義が薄らいだ。1994年メキシコが北米自由貿易協定 NAFTAに加盟したことにより CBI対象国産品がアメリカ市場でメキシコ産品と競合することになったため,CBIは 3年間延長されることになった。

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