青山杉雨(読み)あおやまさんう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「青山杉雨」の意味・わかりやすい解説

青山杉雨
あおやまさんう
(1912―1993)

書家。愛知県出身。西川寧(にしかわやすし)に師事。1954年(昭和29)日展審査員。1966年芸術院賞受賞。1983年日本芸術院会員。1988年文化功労者。1992年(平成4)文化勲章受章。日展常務理事、謙慎書道会理事長、読売書法会総務、大東文化大学教授等の要職を務め書壇の重鎮として活躍した。金石碑碣(きんせきひけつ)に造詣(ぞうけい)深く、各体をよくし篆隷(てんれい)体に新しい表現様式を確立し格調高い独自の書風創出著書に『書の真相』(1982)、『呉昌碩(ごしょうせき)の画と賛』『江南遊(こうなんゆう)』(ともに1983)など。平成5年2月13日、80歳で没。

[永井暁舟・安達直哉]

『『中国書法名蹟』(1979・毎日新聞社)』『『現代名筆小倉百人一首』(1980・毎日新聞社)』『『書の本』全3巻(1980~1981・筑摩書房)』『『書の実相 中国書道史話』(1982・二玄社)』『『江南遊 中国文人風土記』(1983・二玄社)』『『現代日本書法集成1 青山杉雨書法』(1983・尚学図書刊、小学館発売)』『『呉昌碩の画と賛』(1983・二玄社)』『『条幅範書百選 かな篇』『条幅範書百選 漢字篇』(1984、1989・二玄社)』『『明清書道図説』(1986・二玄社)』『『文字性霊――寄鶴軒書話』(1991・二玄社)』『『青山杉雨作品』(1994・二玄社)』

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20世紀日本人名事典 「青山杉雨」の解説

青山 杉雨
アオヤマ サンウ

昭和・平成期の書家 日展常務理事。



生年
明治45(1912)年6月6日

没年
平成5(1993)年2月13日

出生地
愛知県名古屋市

出身地
東京

本名
青山 文雄

学歴〔年〕
芝中〔昭和5年〕卒

主な受賞名〔年〕
泰東書道院展総裁東久邇宮賞〔昭和16年〕,日展文部大臣賞〔昭和38年〕,日本芸術院賞〔昭和40年〕,勲三等旭日中綬章〔昭和60年〕,文化功労者〔昭和63年〕,文化勲章〔平成4年〕

経歴
親類の書家・大池晴嵐との接触から書塾業へ。昭和15年頃、中国から帰国の西川寧との出会いが一大転機となり、清の金石書法家から学んだ篆隷の書体土台に独自の書風を開拓。47〜61年大東文化大学教授を務めた。また30年頃から月刊誌「書道グラフ」を刊行。著書に「書の実相」「江南遊」「明清書道図説」「文字精霊」など。没後、青山杉雨記念賞が創設された。平成12年生前は一度も開かれなかった個展が愛知県江南市で開催される。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「青山杉雨」の意味・わかりやすい解説

青山杉雨
あおやまさんう

[生]1912.6.6. 名古屋
[没]1993.2.13. 千葉
書家。本名は文雄。4歳の時に上京して親戚の大池晴嵐から書の手ほどきを受ける。 1930年旧制芝中学卒業。その後,中国留学から戻った西川寧に師事したことが,独自の書風を確立するうえで大きな転機となった。すなわち,中国古典文字の研究の成果を通して西川は,単に美しい文字を書くだけではなく,歴史や哲学さらに芸術全般に対する素養をそなえていなければ真の書家とはなりえないと教えた。杉雨も中国古典の篆書隷書金石文などの研鑽に励み,それらの象形性,視覚性に親しみやすい現代性を加味し,知的で創造性にあふれる新しい表現様式を樹立した。 48年『李太白詩』で日展に初入選,63年『周易抄』で日展文部大臣賞,66年『詩経の一節』で日本芸術院賞を受賞。 72~86年大東文化大教授。 83年芸術院会員。 88年文化功労者。 92年文化勲章を受章。『萬方鮮』『衛士の図』『旭日昇天』などの作品のほか,『江南遊』『明清書道図説』などの著書がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「青山杉雨」の解説

青山杉雨 あおやま-さんう

1912-1993 昭和-平成時代の書家。
明治45年6月6日生まれ。大池晴嵐(せいらん),西川寧(やすし)に師事。昭和41年「詩経の一節」で芸術院賞。篆書(てんしょ),隷書をもとに独自の表現様式を確立した。大東文化大教授。平成4年文化勲章。平成5年2月13日死去。80歳。愛知県出身。芝中学卒。本名は文雄。著作に「江南遊」「文字性霊」など。

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367日誕生日大事典 「青山杉雨」の解説

青山 杉雨 (あおやま さんう)

生年月日:1912年6月6日
昭和時代;平成時代の書家
1993年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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