カルベン錯体(読み)カルベンサクタイ

化学辞典 第2版 「カルベン錯体」の解説

カルベン錯体
カルベンサクタイ
carbene complex

二価の炭素化合物であるカルベン R2C:が,形式的に低い酸化状態の金属原子に結合または配位した錯体.発見者E.O. Fischer(フィッシャー)の名前をとってフィッシャー型錯体ともいう.一方,カルベンが高い酸化状態の金属原子と結合した錯体をアルキリデン錯体という.カルベンは不安定な中間体であるが,遷移金属に配位した形で,比較的安定なカルベン錯体が単離されている.たとえば,次のようなカルボニル-カルベン錯体が知られている.

遷移金属に結合したカルベンは遊離のカルベンと異なり,カルベン特有の反応性をあまり示さない.一酸化炭素やイソニトリル一種のカルベンとみなすことができるが,これらの金属錯体は数多く知られている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む