カルムイキア(読み)かるむいきあ(その他表記)Калмыкия/Kalmïkiya

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルムイキア」の意味・わかりやすい解説

カルムイキア
かるむいきあ
Калмыкия/Kalmïkiya

ロシア連邦に属する共和国。カスピ海北西岸に位置する。正称はカルムイキア・ハリムグ・タングチ共和国Республика Калмыкия Хальмг Тангч/Respublika Kalmïkiya Hal'mg Tangchという。面積7万6100平方キロメートル、人口31万6000(1999)。首都エリスタ(1944~57年はステプノーイСтепной/Stepnoyと称した)。1920年ロシア連邦社会主義共和国に属するカルムイク自治州として創設され、35年自治共和国に昇格した。42年12月~43年1月ドイツ軍に占領され、同年自治共和国は廃止されたが、57年自治州として復活、翌58年自治共和国に戻り、ロシア連邦社会主義共和国に属するカルムイク自治ソビエト社会主義共和国Калмыцкая АССР/Kalmïtskaya ASSRとして存続してきた。ソ連崩壊(1991年12月)直前の90年10月、自治共和国最高会議は国家主権宣言を採択、崩壊後の92年2月、政体名称を変更してロシア連邦に属するカルムイキア・ハリムグ・タングチ共和国となった。国土カスピ海沿岸低地西部に広がり、南東部はカスピ海に面している。平均気温は1月零下8℃~零下5℃、7月23℃~26℃。年降水量は170~400ミリメートル。

 1989年国勢調査による民族構成は、カルムイク人(14万6316、45.4%)、ロシア人(12万1531、37.7%)が主である。カルムイク人は西モンゴル諸族の一つで、カルムイク語はモンゴル系の言語であり、宗教は仏教チベット仏教)である。

 おもな工業は、食品加工(食肉乳製品、魚)、軽工業、機械、金属加工、建築資材生産、天然ガス・石油採掘。農業では、ヒツジ、食肉用家畜の牧畜小麦大麦、飼料用作物の栽培が盛んである。

[上野俊彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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