日本大百科全書(ニッポニカ) 「カレーラ・アンドラーデ」の意味・わかりやすい解説
カレーラ・アンドラーデ
かれーらあんどらーで
Jorge Carrera Andrade
(1903―1978)
エクアドルの詩人、外交官。マルセイユにおいて女性詩人で外交官のガブリエラ・ミストラルの秘書を務めた。農村出身で、風景や旅や地理を歌う詩人とみなされているが、それらは人間の内面と照応するものである。初期にはフランスのロマン派や象徴派の影響を受けたが、シュルレアリスムには傾かず、直接的で意識可能な、事物からなる現実を対象とする。作品はいずれも本質的に叙情的な詩語、大胆だが明解な隠喩(いんゆ)を用い、苦悩からの解放、人間と自然の関係の回復、人類の連帯を希求する。『世界の索引―1932~49』などの選集および『全詩集』(1971)がある。また東京で俳句風の作品からなる『ミクログラマス』(1940)を出している。
[野谷文昭]
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