改訂新版 世界大百科事典 「ガエタ」の意味・わかりやすい解説
ガエタ
Gaeta
イタリア中部,ラツィオ州ラティナ県の港町。人口2万2605(1981)。岬の先端に位置する,かっこうの要塞で,城壁の内部は中世都市のたたずまいを残している。1136年にシチリア王国に併合されてから,商業都市として栄えた。難攻不落の要塞ぶりは,13世紀のアラゴン王家,15世紀のアンジュー家のナポリ王国をめぐる攻撃を阻止したことにもうかがえる。1849年には革命政府の樹立されたローマから教皇ピウス9世がこの地に逃れた。また,ガリバルディのイタリア統一達成直前,両シチリア王国のフランチェスコ2世とブルボン王党軍の最後の拠点となったが,61年3月には降伏した。要塞は現在,軍刑務所となっている。
執筆者:望月 一史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報