改訂新版 世界大百科事典 「ガジアンテプ」の意味・わかりやすい解説
ガジアンテプ
Gaziantep
トルコ南東部にあり,同名県の県都。人口91万6458(2003)。かつてはアインターブ‘Aynṭāb,あるいはアンテプAntepと呼ばれた。アナトリアとシリア,メソポタミア地方とを結ぶ交通・戦略上の要地で,16世紀にオスマン帝国の領域に入るまで,ビザンティン,アルメニア,十字軍,トルコ系,アラブ系など,その支配勢力の変遷は著しかった。第1次世界大戦後の祖国解放運動の際,市民軍はフランス侵入軍を相手に長期にわたる抵抗戦を戦い抜き,この功績によってアンテプ市は1921年2月6日トルコ大国民議会から〈ガージー(聖戦士)〉の称号を贈られた。現在の市名はここに由来する。今日はアナトリア南東部の商業・文化の中心で,トルコ第6位の人口をもつ。
執筆者:小松 久男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報