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食品工業

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栄養・生化学辞典の解説

食品工業

 食品の素材を加工して食品を生産する工業.

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百科事典マイペディアの解説

食品工業【しょくひんこうぎょう】

農・畜・水産物を原料として加工食品を製造する工業の総称。製粉業醸造業製糖業乳業,製菓工業や水産加工業,肉製品,缶詰瓶詰食用油脂,飲料などの製造を含む。
→関連項目工場排水消費財工業

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世界大百科事典 第2版の解説

しょくひんこうぎょう【食品工業】

農産物,水産物,畜産物などを原材料として加工食品を生産する工業。食品工業の範囲は必ずしも明確ではない。狭義には日本標準産業分類(1993年10月改訂)のなかの中分類の〈食料品製造業〉がこれにあたる。この分類のなかには畜産食料品,水産食料品,野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品,調味料,糖類,精穀・製粉,パン・菓子,動植物油脂,その他の食料品(めん類,豆腐・油揚げなど)の製造業が含まれる。そのほか飲料,酒類,茶・コーヒー製造業も一般的には食品工業に含まれるが,前記の産業分類では中分類の〈飲料・飼料・タバコ製造業〉に分類されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

食品工業
しょくひんこうぎょう

農・畜・水産物を原料として、それを処理加工して加工食品を製造することを目的とする工業の一部門。[保志 恂・加瀬良明]

産業上の特質

消費財生産部門に属し、軽工業に属するが、他工業に比して、総需要量は相対的に固定的であり、加工に一定の限度もあるため、原料、製品とも腐敗、変質しやすく、貯蔵、輸送、包装などに注意しなければならないが、逆に需要の安定、製品の流通回転の速さなどの利点もある。資本主義発展の初期にあっては、一般にまず消費財の生産が増加し、ついで生産財生産が増大するのが普通であり、食品工業を含めた軽工業の発展が重化学工業の発展に先だっている。しかし、食品工業は軽工業のなかでも特殊な性格をもち、農・畜・水産物などの自然的属性に大きく規制される傾向が強く、近代的な工場制工業の特質や発展と一致しない点が多い。都市化に伴う食生活内容の変化、高度化のもとにあって、畜産物、果実、野菜類などの生産の伸びを誘発するのに食品工業の果たしている役割は大きい。食品工業は農業生産の不連続性を克服して、年間を通じ供給可能の状態に置き、農産物の付加価値を増大させる。しかし反面、食品工業の利潤は、農業生産者へではなく、企業体側が吸収することになり、原料生産を担当している農業生産部門との間に不均等発展をもたらす一因をつくり、さまざまな問題を引き起こすことになる。
 世界的にみると食品工業がもっとも進んでいるのはアメリカで、ついでイギリス、ドイツ、スイス、オランダなどのヨーロッパ諸国である。なかでもアメリカは、日本に比してスケールが桁(けた)違いに大きく、技術的にも上位にあるといえる。加工生産技術は、1910年ごろから冷凍工場化、1920年代後半に急速冷凍工業化、第二次世界大戦後になって低温の「ロッカープラント」(倉庫の一種)が生まれ、冷凍工場→ロッカープラント→ホームフリーザーのコールド・チェーンが生まれた。また脱水工業、凍結乾燥の技術も生まれている。[保志 恂・加瀬良明]

日本の食品工業


歴史的展開
日本の食品工業は、ほとんど生業的な小規模生産から出発し、製粉、製糖、醸造などは、工業化学、農芸化学や微生物学さらには、遺伝子工学・バイオテクノロジーなどの応用によって近代的大工業化が進んでいるが、全般的に「手づくり」の製品が多く、このためなお原始的産業の形態をとっているものも少なくない。近代的な企業化は明治中期から始まったが、製糖、製粉、製油、ビール、製菓、乳加工などは外国からのプラントと技術の輸入で発展した。これに対し、しょうゆ、清酒などの醸造業は、江戸時代に発達した在来産業の延長線上に独自の努力で大規模化が進められてきた。製糖業は、日清(にっしん)戦争後の台湾領有により飛躍的に発展し、内地糖業は南九州や沖縄の黒糖を残して衰滅した。昭和初期から遠洋、北洋の水産物が加工され、ロシア沿海州および北洋のカニ缶詰は世界一の声価を得、また台湾パイナップル缶詰は世界の三大供給地の一つとして今日の日本缶詰業の基礎をなした。うま味調味料も登場した。
 第二次世界大戦後には多くの中小企業が生まれたが、従来の大手食品メーカーでは、味の素がDDT、明治製菓や製糖会社がペニシリン、ストレプトマイシンなどの薬品製造、日本水産などが遠洋漁業への進出などにより復興の足掛りを得たほか、代替産業、たとえば、そば・うどんに対するインスタント麺(めん)、しょうゆに対するアミノ酸しょうゆ、砂糖に対する人工甘味料、酒類では合成清酒、焼酎(しょうちゅう)、雑酒の進出が目だち始めた。さらに高度経済成長期以降は、食生活の安定・多様化とその変化に伴い、成長と停滞の格差が産業間だけでなく企業間にも及んだ。食肉業、製パン業では中堅から大手へのし上がるものも出る一方、酒造業では清酒とビールの位置が大きく逆転し、また近年焼酎の消費の伸びも目覚ましく、清酒業界では企業過多と規模の零細性のなかで大手おけ買い業者のもとに中小業者は系列化をいっそう進めている。大手メーカーを中心に各種機械化も進み、作業一貫化、スピード化と品質向上を図り、各種の化学的処理などが発展しているが、それらは反面、これまでに一般食品の人工着色を含めて食品公害問題をも発生させている。[保志 恂・加瀬良明]
近年の動向
食品工業の総出荷額は、1961年(昭和36)から1995年(平成7)の間に2.4兆円から32.5兆円へと14倍増しているが、原料供給部門の農業総産出額がこの間に2.4兆円から11.8兆円へ4.9倍増にとどまっていることからみて、食品工業の著しい発展が注目される。なかでも近年、生産高の伸びの大きいものは、1975~1996年の21年間に、冷凍調理食品(コロッケ、エビフライなどのフライ類と米飯類、ハンバーグ、ミートボールなどの非フライ類)4.8倍、カレーを中心としたレトルト食品4.4倍、ハム・ソーセージ2.4倍、ドレッシング類(マヨネーズなど)2.3倍などであり、ほかにも各種総菜、弁当、すし類なども著しい伸びを示している。
 このような食品加工業の発展期に、小麦製粉、飲用牛乳、バター製造、ハム・ソーセージ、大豆油、ビール、ウイスキーなどの主要食品工業で生産の集中、市場寡占状態が進んでいる。さらに下請化が進み、規模の大きい食品工業ほど下請依存率が高い。また、金融機能としての銀行やオルガナイズ機能としての総合商社との結び付きも強い。たとえば、パン業界トップ級の山崎製パンには日清製粉が小麦粉を供給しているが、その仲介の役割を果たしているのが、三菱(みつびし)商事、丸紅、住友商事であり、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行と密接な関係をもっている。近年では、麦類、大豆、飼料穀物などの輸入の拡大により、太平洋沿岸ベルト地帯を中心に「食品コンビナート」が千葉、京葉、衣浦(きぬうら)(愛知県)、神戸、箱崎(福岡市)の五つの食品工業団地として形成され、関連企業が相互に結合して団地内で製品化をし、原料輸送のコストを低減することを目ざしている。また、日本ハムなどの食肉加工メーカーは、生産、処理、加工、流通のインテグレーション(統合)を進めている。
 このように、加工食品による市場開拓が進むなかで、総務庁(2001年から総務省)「家計調査」によると、国民の食生活は、外食を除く食料消費支出のなかで加工食品の占める割合が、実質値で1965年には約48%、1975年には約53%、1985年には約55%、さらに1996年には約61%にも達するようになった。なお、1980年代の後半以降、1985年のプラザ合意による著しい円高のもとで、食品加工企業の海外進出が北米(アメリカ中心)とアジア(中国中心)をおもな対象地にして進行している。[保志 恂・加瀬良明]
『日本科学者会議編『日本の食糧問題 上』(1978・大月書店) ▽笹間愛史著『日本食品工業史』(1979・東洋経済新報社) ▽梅川勉他編著『食料を考える――生産と流通・消費の経済学』(1982・富民協会) ▽森実孝郎他編『図説・日本の食品工業』(1995・光琳)』

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