ガトリング(その他表記)Gatling, Richard Jordan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガトリング」の意味・わかりやすい解説

ガトリング
Gatling, Richard Jordan

[生]1818.9.12. ノースカロライナ,メーニーズネック
[没]1903.2.26. ニューヨーク,ニューヨーク
アメリカ合衆国の発明家。手動クランク式の多銃身機関銃であるガトリング機関銃ガトリング砲)を発明したことで知られる。父の手伝いで綿の播種機と綿実さやをはぎ取る機械の製作をきっかけに発明家として活動を始めた。1839年に蒸気船のための実用的なスクリュープロペラを完成させたが,特許はすでに取得されていた。1844年にミズーリ州セントルイスに居を構え,綿の播種機をイネコムギなどの穀物の種まき用に改造した。これらの播種機の導入はアメリカの農業の改革に大いに貢献した。天然痘痘瘡)流行時に医学に関心を抱いてオハイオ医科大学に学び,1850年に修了。同 1850年に麻かき機,1857年に蒸気機関式の耕耘機を発明した。1861年南北戦争が勃発するとすぐに銃砲の開発に専念,高速で連射できる機関銃を考案し,みずからの名を冠して 1862年に完成させた。しかしガトリング機関銃が連邦当局によって公式採用された頃,戦争は事実上終息していた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android