国指定史跡ガイド 「ガランドヤ古墳」の解説
ガランドヤこふん【ガランドヤ古墳】
大分県日田市石井にある古墳。市の南西部を流れる三隈川(筑後川の日田盆地での名称)が北に大きく蛇行する左岸段丘上に位置する古墳群で、古墳時代後期(6世紀後半)築造の3基の円墳からなる。第1号墳と第2号墳は装飾古墳で、第1号墳の多様な図柄や第2号墳の赤地塗りに緑の顔料で作画する特異な技法を有しており、装飾古墳としては出土遺物も多く類例が少ないことなどから、1993年(平成5)に国の史跡に指定された。第1号墳は墳丘が失われ、露出した石室は両袖式複室構造の横穴式石室で、玄室長約4.3m、幅約3mの長方形。玄室の奥壁に赤と緑の顔料で、手を広げた人物、馬、舟、鳥、円文などが描かれている。副葬品として馬具、装飾品、須恵器(すえき)、土師器(はじき)などが出土。第2号墳には直径約20m、高さ9mの墳丘が残存しているが、石室の東側は露出している。石室は複室構造の横穴式石室で、玄室長約3.3m。玄室の奥壁に、赤で下塗りをした地に緑の顔料で弓を引いた騎馬の人物、同心円文、連続山形文などが描かれている。第3号墳は現在墓所になっており、墳丘や石室の石組みもほぼ破壊されている。JR久大本線日田駅から車で約15分。