化学辞典 第2版 「ガリウム化合物」の解説
ガリウム化合物
ガリウムカゴウブツ
gallium compound
酸化物,硫化物,ハロゲン化物のなかにガリウム(Ⅰ)化合物が知られているが不安定であり,またハロゲン化物,硫化物,セレン化物,テルル化物ではガリウム(Ⅱ)化合物の存在が知られているが,普通の化合物ではガリウムは酸化数3の陽イオンとして存在する.元素間の反応により,水素,ハロゲン,酸素族,窒素族の元素のガリウム(Ⅲ)化合物が得られる.酸化ガリウム(Ⅲ)を酸に溶かしてその酸の塩が得られる.ハロゲン化物,硝酸塩,硫酸塩,過塩素酸塩は水に易溶で,水溶液にアルカリを加えると完全な両性を示す水酸化物が沈殿する.種々の錯体や有機ガリウム化合物が知られている.リン化ガリウムGaP,ヒ化ガリウムGaAs,窒化ガリウムGaNは半導体で,半導体レーザー,発光ダイオードなどに用いられている.また,GaNは光触媒としても用いられる.67Ga のクエン酸塩はガリウムシンチレーターとしてしゅようや炎症部の診断に用いられる.[別用語参照]ヒ化ガリウム単結晶
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報