化学辞典 第2版 「がん抑制遺伝子」の解説
がん抑制遺伝子
ガンヨクセイイデンシ
tumor suppressor gene
細胞に不都合が起こったとき,たとえば放射線によりDNAが切断されたとき,細胞の分裂を止め修復が不可能なときはアポトーシスにより死に至らしめる仕組みが備わっている.この過程に関与するタンパク質はがん細胞の増殖を抑えるので,がん抑制遺伝子とよばれる.これが変異するとがんになりやすくなる.典型例が転写調節因子p53で,ヒトのがんの約50% でp53の変異が検出されている.乳がんや卵巣がんになりやすい家系で変異が見いだされているBRCA1,BRCA2遺伝子も,がん抑制遺伝子である.[別用語参照]がん遺伝子
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報