日本大百科全書(ニッポニカ) 「がん相談支援センター」の意味・わかりやすい解説
がん相談支援センター
がんそうだんしえんせんたー
患者からの癌(がん)に関する相談に個別に対応する目的で、がん診療連携拠点病院および地域がん診療病院に設けられている相談支援部門。専門の相談員が配置され、病院内や地域の医療従事者の協力を得て、癌患者や家族および地域住民などからの相談に対応している。患者の問題に応じて、一般的な相談には看護師や医療ソーシャルワーカーなどのスタッフの協力を得て、また専門的な相談には医師の協力を得て対応する。具体的には、癌の病態や治療法および予防・早期発見などの知識、医療資源、セカンド・オピニオンが得られる医師などに関する情報提供のほか、癌患者の療養上の相談や石綿(アスベスト)による肺癌および中皮腫、成人T細胞白血病(ATL:adult T-cell leukemia)に関する医療相談などを行っている。また、相談者の個別の問題に適切な対処ができる医療機関の紹介も行う。
専門の相談員の基礎研修は国立がん研究センターがん対策情報センターが行い、受講者に受講証書を交付している。がん診療連携拠点病院には、基礎研修(1)~(3)を修了した者を専従および専任の相談員としてそれぞれ1人以上配置すること、地域がん診療病院には基礎研修(1)、(2)を修了した者と(1)~(3)を修了した者を専従および専任の相談員として1人以上配置することが決められている。
[編集部]