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中皮腫 ちゅうひしゅmesothelioma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

中皮腫
ちゅうひしゅ
mesothelioma

悪性中皮腫,中皮肉腫ともいう。体腔壁の表面をおおっている漿膜の表層にある中皮が腫瘍化したもので,良性と悪性がある。組織学的には,腔を形成する上皮様の細胞と,非上皮様の紡錘形細胞とから成る。良性のものは局所的な変化を示すが,悪性のものはびまん性の広がりを示す。胸膜に最も多く発生し,最近,アスベストとの関係が注目されている。その他,腹膜,心嚢,精索などに生じる。

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デジタル大辞泉の解説

ちゅうひ‐しゅ【中皮腫】

中皮に発生する腫瘍。良性と悪性がある。悪性の場合、胸膜腹膜に沿って広く浸潤するものが多い。胸膜・腹膜中皮腫の多くはアスベストの吸引により発生する。アスベストが原因の場合、潜伏期間が長く、吸い込んでから数十年後に発症する。→静かなる時限爆弾

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大辞林 第三版の解説

ちゅうひしゅ【中皮腫】

胸膜きようまく・腹膜ふくまく・心膜しんまくなどの膜をおおっている中皮にできる腫瘍しゆよう。発生部位により、胸膜中皮腫・腹膜中皮腫・心膜中皮腫・精巣鞘膜中皮腫がある。悪性中皮腫の多くは、アスベスト(石綿)の吸い込みが関与しているといわれる。 → アスベスト石綿肺症せきめんはいしよう

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中皮腫
ちゅうひしゅ

中皮細胞から発生する腫瘍(しゅよう)の総称。中皮細胞は、肺を覆う胸膜、心臓を覆う心膜、腹部の消化器臓器を覆う腹膜などの漿膜(しょうまく)の表面に並んでいるので、由来する膜によって、胸膜中皮腫、心膜中皮腫、腹膜中皮腫に分けられ、なかでも胸膜中皮細胞から発生するものが多い。胸膜中皮腫では、胸痛、咳(せき)、胸水貯留による呼吸困難などの症状を伴い、腹膜中皮腫では腹水や腹痛などを伴う。
 かつては良性のものと悪性のものに分けられ、特定の部位で増殖する限局性の良性中皮腫は、線維性の塊をつくることが多いので線維性中皮腫とよばれていた。しかし、現在ではこれは孤在性線維性腫瘍として、中皮腫とは別に扱われている。したがって現在では、中皮腫といえば悪性中皮腫をさす。中皮腫は特定の部位で増殖する限局性のものと、漿膜に広範囲に浸潤していくびまん性のものがあり、多くはびまん性のものである。
 発癌(がん)を誘発する化学物質に直接接触したり、あるいは吸入したりする作業環境にさらされて発症する腫瘍を職業癌とよぶが、そのなかで石綿(アスベスト)にさらされる業務の従事者に発生する中皮腫は、発症頻度の高いものである。男性に多く、潜伏期間が長いのが特徴で、40年前後(25~50年ほど)を経過してから発症することが多い。[編集部]

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